ストレス 女性に多い失声症

[女性に多い失声症]

(あなたの健康百科  1995年04月18日)


<ある日突然、話ができない><ストレスが原因>
ストレス社会を反映してか、心因性の失声症に悩む人が少なくない。
話したいのに話せなくなる病気で、特に女性に目立つ。
それも思春期や更年期など心身両面で不安定な時期に多いので、注意が必要。


<「過換気発作」も併発>
失声症は、これまで不自由なく話していたのに急に声が出ない、話せないと
いった症状を呈する。

よく似た症状を伴う病気に失語症があるが、こちらは脳血管障害など脳の
病気によって起こる。

これに対し、失声症はストレスなど心理的な原因が多い。

中でも悩みや苦しみ、不満を身体症状に転換する転換反応による失声症が
多い。
失声や発声障害といった症状だけでなく、過剰に空気を吸い込んで呼吸困難に
陥る過換気症候群や、不眠などを併発しやすい傾向があるという。


女子高校生のAさん。
進路に悩んで学校を休みがちになっていたところ、母親から不登校を
責められて、過換気発作と失声症を併発した。

30歳の主婦は過換気症候群で通院中、夫から多弁であることを注意されたのを
きっかけに、失声症を起こした。


この病気は、女性に多い。
過去3年間に、12例の失声症を診たある病院では、そのうち11例が女性
だったという。



<心療内科受診を>
なぜ女性に多いのか。
はっきりとした原因は分かっていないが、女性は男性に比べてストレスを解消
する方法が少ないためではないか、と考えられている。
特に思春期や更年期には、それだけでも心身両面で不安定になりがちなのに、
さらに強いストレスが加わると発症しやすいようだ。

この病気は、言葉を介さないコミュニケーションで人間関係を見直そうとして
いるのかもしれない。

自然に治るケースが多く、受診しない人もかなりいるが、日常生活に支障を
来す場合は、心療内科か精神科で診てもらうことも大切。

素人判断で失声症だろうと思っていると、失語症を見逃す危険性もある。
その意味でも、掛かり付けの医師に相談して、適切な指導を受けた方がよい。

失声症と診断がつけば、治療はカウンセリングで心の問題を解消することが
基本だが、症状によっては、精神安定剤も用いられる。
日常生活では、睡眠や運動、休養を心掛け、ストレスをため込まないように
することが大切。
こうした日常のケアは、もちろん予防にもつながる。




http://www.medical-tribune.co.jp/kenkou/199504182.html





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